初めは反対していた親も認めてくれた夢の仕事
プロフィール
堤 美月さん
1999年2月20日、三重県四日市市生まれ。長野県上松技術専門校を卒業後、2018年4月、株式会社造家工房(三重県亀山市)に入社。2023年4月から一人親方として独立。
目次(クリックするとジャンプできます)
① 頑張る自分を見て、両親も応援者に
父親が設計士だった堤さん、小さい頃から仕事の手伝いをし、現場を見ていました。
高3でいざ進路を決める時、体を動かすことが好きだったので、木の家を作りたい、大工になりたいと思いました。
びっくりしてました。母は大反対。男社会だし、あきらめが早い性格だから続かないだろうと。でも、これと決めたら変えない頑固なところがあるので、折れませんでした!
その後、父の知り合いの造家工房の社長に勧められ専門校に進み、卒業して造家工房に入社しました。
② 新人の時、忍耐力を鍛える
新人時代は材料の運搬、社長に同行しての現場まわり、雑用などをしました。
会社が四日市市から亀山市に移った時だったので、新しい小屋を建てたり、草取りをしたり…。今思えば、忍耐力を鍛えるためにそういう仕事を与えられたんだと思います。木材や工具の運搬もして、日々筋肉痛でしたが、半年くらいで大分筋肉がつきましたね(笑い)。
できます!女性が一番気にするのは力仕事や体力だと思いますが、やる気があれば、力がなくてもテコの原理を使ってできますよ。前に力仕事で怪我をしたことがあるんですが、だからこそ、力がなくてもできる運搬の仕方を身に付けました。体力は毎日やっていれば勝手につきましたね。
大工をやりたいと思ってこの世界に入ったので、気にしたことなかったです。でも、高所作業はこわいので正直苦手ではあります。
③ 大工仕事の魅力は、お施主様と一緒に家を作り上げていくところ
仕事は新築工事やリフォームなどありますが、それぞれおもしろいと思います。
新築は新しいこだわりを詰め込んで作り上げていきます。リフォームや古民家の改修は現状に合わせて作っていくことが多いので、知識もいるし、古い部分を生かして味を出します。新築もリフォームも大工の腕を磨くという点では変わりないです。
こうやったらいいんやって、段々できることが増えていくのがおもしろい。
特に、手刻みが好きです。造家工房の大工はこだわりを持った個性派が多いので、そういう人は手刻みが向いているのかな。私も友達から変わっていると言われるので。
お施主さまと構造や間取りを話し合って作り上げていくところです。自分の中で納得が行くように仕事を進めて、家が完成した時に、『住み心地の良い、いい家になった』『木の匂いがする昔ながらの建て方で頼んでよかった』と、お施主様に喜んでもらえると、うれしいです。
底取り鉋(そことりかんな)という道具です。持ちやすく、いろいろなところで使えるので便利なんです。
※底取り鉋(そことりかんな)=溝の底を削る鉋。
④ 土曜日の夜のドッヂボールが楽しみ
服は家の近くの『ワークマン』で買うことが多いです。動きやすい恰好が一番ですね。時計は、耐水性と耐久性を重視して、カシオのベビーGを愛用中です。
オフの楽しみは、土曜日の社会人ドッヂボール。
私は仕事終わりに合流することが多いですが、19時から21時まで四日市の体育館を借りて、同年代の仲間とドッヂボールをしています。『あと2日したらドッヂだ』と楽しみにしつつ、1週間仕事を頑張っています!
⑤ 将来は和室を作れる大工に
結婚しても体が続く限り大工を続けたいと、堤さん。
子どもが生まれても大工ができる環境の相手を探そうかな(笑い)。それくらい続けたい。とにかく仕事がおもしろいので。女性の大工が増えるためには働きやすい環境や会社を作ることが必要でしょうね。もし自分が社長になったら、育休とかはちゃんととれる制度は作っていきたい。
和室のある家を自分の手で作ることです。小さい頃から、畳のある古民家や昔ながらの家が好きで、自分でも和室がある家に住みたいと思っています。和室は最近少なくなってきているので、知識と技術を身につけて、和室ができる1ランク上の大工になりたいです。あと、二級建築士に挑戦しようとも思っています。
⑥ 堤さんの一日
休みの時は家ではドラマや映画を見たり、洗車したり、買い物したり、友人と出かけたりしています。
#大工の一日 から色んな大工の一日を見てみよう!
造家工房ホームページ https://zouka.net/
造家工房Instagram「大工の日常」 https://www.instagram.com/zouka_daiku/