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感動を共有することが次への原動力になる | ⼤⼯になった⼈のはなし | 大工の魅力を届けるWEBサイト 大工になろうNET

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大工ってどんな仕事?

⼤⼯になった⼈のはなし

感動を共有することが次への原動力になる

プロフィール

杉原 敬さん

1972年6月21日、東京都調布市生まれ。91年自由の森学園高等学校卒。ものづくりが好きで、アルバイトを経て大工の世界へ。埼玉県の親方に弟子入り。28歳で独立し、東日本大震災の復興支援をきっかけに南三陸町に移住。2019年から木工房瑞(みつ)を経営(奥様は二級建築士で設計担当)。年1回多摩美術大学で木造建築の講義をしている。

① 家づくりはお施主との一期一会の縁

大きな木を切るための大きな道具を操る杉原さん

独立したての頃は、お施主さんの要望を聞いた上で、「自分のやり方がいいんだ」という考えで仕事をしていたと言います。

杉原さん

でも、東日本大震災後の復興住宅などを手伝ってからは考えが変わりました。
早く家がほしい、早く生活を取り戻したいというのがみなさんの気持ちで、求められないことをやっても仕方がない。だから今は、僕や大工という職業に何を求められているのか、そこをお施主さんときちんと対話してつくっていくようにしています。
家づくりはお施主さんとの一期一会のご縁なんです。向こうが求めているものと、僕ができることが共感しあってつくられていくものだと思います。

② 自分の道具も手作りする

金槌(玄(げん)能(のう))とノミで木を加工していく
道具はどんなものが好きですか。
杉原さん

手道具はみんな好きです。長年使うと愛着がわくものです。金槌(かなづち)は頭(金属の部分)だけ買ってきて、柄(え)(手で握る所)は自分で作ります。長年使って折れた時には、柄をつくり取り替えます。竹の墨差(すみさ)しも何回もつくっています。

竹の墨差しを使って線を引く

③ その土地に生えていた木でギャラリーを建てる

サトミキルン ギャラリー入口

3年前には仙台市内にある「サトミキルン」のギャラリーを手がけました。

杉原さん

お施主さんの家には、伊達政宗にもらった土地なので草木一本粗末にするなという文書が残っていて、ギャラリーにすることに。それで、ここの木を使ってもらいたいので僕なりのやり方でやってもらえませんか、と相談を受けたんです。
入口の柱は立ち枯れしていた栗の木。伐採したら中身は意外にしっかりしていたので、木のゴワゴワした手触りを残して使いました。そうやって、その場所にある木や土に合わせて、設計をアレンジしています。

④ 大工の仕事は、感動を共有する仕事

建て前が終わったばかりの現場
杉原さんにとって大工の仕事とは?
杉原さん

地域によって気候風土や生活の仕方が違い、その土地の人たちが昔から培ってきたものが建物や、文化として残っている。それらを受け継いで、昔の人が育てた木を使い、その土地に合った形として次に残していくのが大工の仕事。大工は文化の担い手です。

杉原さん

炎天下の作業で大変な時が続くこともあります。でも、みんなで集まって建て前をすると、『あの時は大変だったけど形になった』という喜びを共有できます。
「サトミキルン」のギャラリーを建てた時は、併設されているカフェのお客さんの目の前で、梁(はり)をおさめた瞬間にワッと拍手が起こりました。その瞬間、感動をみんなが共感し、心の記憶として共有します。それが私たちの次への原動力になるんだと思います。

⑤ 大工はクリエイター

大工になるのに必要なことは「基礎を身につけること」なのだそう。

杉原さんらが建てたカマド建屋(風の沢ミュージアム公園内)
杉原さん

3年、5年、人によっては7年かかりますが、掃除や刃物研ぎから始まり、先輩を見て覚え、基礎を身につける。すると一軒の家がつくれるようになります。
基礎があれば、応用ができるので、木を自分の刃物で自分の考えで刻んで組み合わせて、建物をつくることができます。つまり、その人ならではの新しいものがつくれる可能性が生まれます。
もちろん、お施主さんあってのことですが、大工は、そこにしかないものをつくれるクリエイターだということです。そういうクリエイターを目指す感覚で続けると、一生楽しいとおもいます

杉原さん

社寺や古民家など昔の建築を見ると、創造性があり、美しい。大工さんそれぞれが考えて、住む人にどんな風景を見せてやろうかと工夫していることが分かります。お施主さんとの出会いの中で生まれた芸術作品みたいなものですね。

⑥ 好きであることが大切

大工を志す人へメッセージをおねがいします。
杉原さん

努力すればある程度の大工にはなれます。大切なのは、好きかどうかです。はじめは、ものづくりが下手でもいいから、好きで続けられるかどうか。それであまりにも作業に不向きだということであれば、建築の中の違う分野で何かできるかもしれないし、ほかの職種を選ぶこともできるかもしれない。まずはトライしてみるといいと思います。

⑦ 2、3年後には夫婦で木工カフェを

杉原さんの奥さんとお子さんが作業場に様子を見に来てくれた
杉原さんには7歳の娘さんがいるとお聞ききしましたが、子育ての分担は?
杉原さん

僕は現場に出るので、家事や子育ての時間は妻のほうが多いです。でも、家ではご飯をつくったり、酵母と粉を練って発酵させてガスオーブンでパンを焼いたりしますし、料理は好きなので子どもと一緒につくったりしています。

今後の夢をおしえてください。
杉原さん

北上町に作業場があり、そこで妻と木工カフェを営む計画です。パン窯をつくり、僕がパンを焼いて、妻がケーキ類をつくり、それらをお客さんに楽しんでもらう。その傍らで、木工もやりたいけど材料も道具も持ってないという人に提供して、僕が教える。もちろん大工仕事を続けながらですが、2、3年のうちに実現したいと思っています。

⑧ 杉原さんの一日

自分で建てた作業場で昼休み
早く子どもの顔を見たいので17時に帰宅
杉原さん

日曜は休むようにしています。あとは、ひとりでやっているので休める時に休んだり、雨で休んだり。休みの日は、子どもと遊ぶ。ほかには、庭で妻が花や野菜を育てているので手伝ったり、地元(北上町)の森づくりの活動をしたり、海や山が近いので散歩したり、妻の買い物で仙台に行ったり。

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