とにかく毎日仕事が楽しい
プロフィール
橋本 那月さん
1997年7月20日、愛媛県松山市生まれ。松山高等技術専門校(現・愛媛県立愛媛中央産業技術専門校)を卒業後、2017年4月、株式会社うずくぼ工房(愛媛県松山市)に入社。
目次(クリックするとジャンプできます)
① 大工への夢を叶えた
もともと手芸など、もの作りが大好きで、高校2年生の時、女性大工が活躍するテレビを見ていて、「かっこいい!私も大工やりたい」と思った橋本さん。高校を卒業後、地元の専門校で学び、ハローワークで大工見習の求人探し。
紹介していただいた中に『うずくぼ工房』が。大工さんをするなら手刻みができるところがいいなと思っていて、ホームページで調べたら、手刻み※の仕事ができるし、自宅からも近い。ここだと思い、すぐに面接に行きました。
※手刻み=ノミやカンナ、ノコギリなどを使って木材を加工すること。
面接で、社長に「3K(きつい、汚い、危険)の大工仕事で本当にいいのか。もう少し考えて1週間後にもう一度面接しましょう」と言われましたが、私の決意は変わりません。2回目の面接でも、大工になりたいとはっきりとお話ししました。
②橋本さんがサブリーダーになるまで
棟梁(とうりょう)※がそれぞれ現場を担当し、通常は棟梁含め1人か2人の大工が現場に付く。橋本さんは、見習い大工から一人前の大工となり、現在はサブリーダーとして働く。
※棟梁(とうりょう)=大工工事の責任者。
見習いの時は掃除から始まり、壁やひさし等の塗装の仕事。それに棟梁のお手伝い。その内容も徐々に幅広くなって、2、3年目からサブリーダーとして棟梁の手助けをしています。3、4年目からは、たとえば1階は棟梁が、2階は私がという形である程度任せてもらっています。
② 細かいところに気が付くのが女性の強み
作業の場所や内容は、男女関係ありません。
3Kについては、やりたい仕事だったので、あまり気になりませんでしたね。ただ、トイレではちょっと……。現場によっては仮設トイレなんです。最初はこんなところで、と思っちゃいました。今は慣れてなんとも思わないですが、現場から近いところのトイレだと、音が聞こえないかなって心配な時もあります。
高い所での作業はあります。怖いなと感じる時は上がらないようにと社長に言われているので、自分で大丈夫だなと思うところは上がっています。また、重たい材料をひとりで運ぶのがどうしても無理な時は、周りに手伝ってもらいます。
電動工具など工具類は、女性でも問題なく扱えます。使えば使うほど、うまく使いこなせるようになりますよ。
では、女性大工でよかったことはありますか?
細かいことに気が付くことかな。男性とは違う、女性ならではの目線が役に立つことがあります。
④好きな道具はノミ
取材の日も、一所懸命に仕事に打込んでいました。おもしろくて、楽しい仕事だからこそ、集中して良い仕事ができるのでしょう。
現場は注文住宅の新築、改修など様々です。木材を手刻みで加工する現場もあれば、プレカット材※を使う現場もあります。今の現場は古民家の改修です。古民家だと、手刻みの作業が多くなります。
※プレカット材=あらかじめ工場で加工された木材。
ノミという道具が気に入っていて、自宅でもノミの手入れができるように、砥石など手入れの道具を持ち運びできるセットを手作りしました。これを使う作業がいちばんおもしろい。
⑤いつまでも大工仕事をしたい
まだ先輩には追い付けていません。先輩たちは段取りや手際がすごく良くて、私も早く追い付きたい。一人前の女性棟梁になりたいです。
先輩たちにはもうそろそろいいよと言われています。やってみないとわからないからやってみなと。将来的には一軒家を自分で建てたいです。
大工仕事は朝が早いので、もし結婚して子どもができたら、時間的にも体力的にも続けるのはむずかしいのかなと思います。なので、しばらくは休むかもしれませんが、大工自体はずっと続けたい。子どもがある程度大きくなったら復帰し、また仕事をしたいな。あと、女性の大工はあまりいないので、一緒に働ける女性大工の仲間もほしいですね。
⑥橋本さんの一日
休みの日はたっぷり寝ます(笑い)。午前中ごろごろして疲れを取ったら、午後は買い物をしたり友達と遊んだりして過ごします。
#大工の一日 から色んな大工の一日を見てみよう!
うずくぼ工房ホームページ https://www.uzukubo.co.jp/