未来へ伝え残したい
-お寺や神社をつくる大工-
プロフィール
菊池 恭二(きくちきょうじ・70歳)
「施主に合わせた造り方」
社寺建築を建てるには、施主さまの神社、寺院の宗派や宗旨発生の時代を知らなければなりません。
その寺院や神社さまに合わせた造り方があり、そこが一番大事な所と思います。
「先輩に学ぶ」
文化財の修復では、その建物を解体して腐った所や割れた所を補修して復元されます。昔の大工たちは当時の鑿(のみ)や鋸(のこぎり)で、穴やほぞを造っています。
その穴の鑿の痕、鋸の挽き肌、硬い節に掘ってある穴の中の鑿の刃こぼれの痕などを見て、私達の先輩、大工たちも御苦労して仕事に励んだと思うと、私の胸も熱くなる思いがします。
「未来へ伝え残したい」
何百年も前に活躍した先輩たちに「心」で呼び掛けながら、古い技術を尊重し、新しい技術を創造しながら、より良い建築物を造り、また次の世代に、未来へ、自分の学んだ技術を伝え残したいと願っています。